みなさんは、今までどれくらいの種類の海藻を食べたことがありますか?

ワカメ、コンブ、ヒジキ、海苔、モズク、アオノリ、アオサ、テングサ・・・
10種類も言えたら、結構な海藻好きだと思います。

ところが、日本の海域には約1500種類を超える多種多様な海藻が生息していると言われており、実はそのすべてが毒を持たず食用になり得る、ということはご存じでしょうか。

昔から海藻をよく食べ、世界で最も海藻食文化が進んでいると言われている日本でさえも、食卓に並ぶ海藻は数十種類だけ。
まだ1400種類以上もの海藻が、未知なる食材として眠ったままです。

地上の植物は探し尽くされ、長年研究されて、様々な生産方法や調理方法が確立してきましたが、海藻の世界はその途上です。というか、まだはじまってすらいないものばかりです。

私たち合同会社シーベジタブルは、日本各地にある「実は美味しいけど食べられていない海藻」や「かつては食べられていたけど採れなくなってしまった海藻」などを採取して研究し、環境負荷の少ない陸上養殖や海面養殖によって生産を広げるとともに、新たな食べ方の提案まで行っています。
これらを通じて、かつてからあった海藻食文化を残すことと、新たな海藻食文化をつくっていくことができればと考えています。

シーベジタブルが創業当時から生産しているのは、すじ青のりという海藻です。

すじ青のりは、海藻の中で最も香り高いと言われることもあり、青のりの中でも最高級品種です。主産地である吉野川や四万十川の河口部の水温上昇に伴い、全国各地で収穫量が激減し、供給量が足りない状況が続いていました。

そこで世界初となる、清浄でミネラル豊富な地下海水を用いた陸上養殖を開始。独自に開発した設備や生産ノウハウによって、高品質なスジアオノリを通年で安定供給しています。

かつては海藻が繁茂して豊かだったはずの日本の海が、気づけば「磯焼け」によって海藻の資源量が激減しているという現状があります。

これはすでに始まっている海水温上昇の影響が大きいとされていて、それによって海藻を食べるアイゴ等の魚類やウニの生息地が広がり、摂餌活性(餌を食べる量)も上がっていることが主な原因です。

海底に海藻が繁殖できないという危機的な状況の中、できるのは海面を使った海藻養殖しかないのでは・・という仮説に私たちはたどり着きました。

食害の要因を排除できないのであれば、食害を受けない時期を特定してその時期だけにその環境に適した海藻を生産すれば、海面に藻場を形成することができる。たとえ一時期だけでも、”季節藻場”として海藻が海にある状態をつくることができれば、海の生態系にもきっとよい影響を与えることができると考えています。

現在、全国の漁業者と連携しながら、様々な時期と海域で、多種多様な海藻の生産を広げています。

様々な取り組みを行う中、多様な才能をもった仲間たちがシーベジタブルに集まってきてくれました。

40年以上、日本中の海に潜り続けて海藻の採取・分類を続けてきた専門家や、水質分析や設備開発のスペシャリスト、和洋ジャンルを超えた一流の料理人たちが社内に加わり、新たな海藻の生産から食べ方の提案まで、海から食卓までの動きをつくりだす体制が整ってきました。

これからも多くの人々の知恵と行動を結集して海藻食文化を育んでいくことが、海や海藻の未来をつくっていくことになると考えています。